記憶に残る「基板でつくる名刺!」作り方を6stepで解説

business card 紹介 基板名刺

プリント基板で唯一の名刺を作ろう。

3DCAD(Fusion 360)で形状を作成し、画像編集ソフト(パワポ、GIMP)でデザイン、回路CAD(KiCad)で基板設計をして、製造メーカ(JLCPCB)に発注する一連の流れと方法を解説します。

完成した基板名刺。ワイヤレス給電でLEDを点灯。
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はじめに

メイカーは展示会やロボット競技会で作品の実演をしたり情報交換をします。このとき相手が初対面で自己紹介をする機会も多いです。

ものづくりをしているメイカーの間で一般的にやられている事なのかわかりませんが、自己紹介の一環で自分で設計したロボットの基板を渡すことがあります。少なくとも私の周りでは行っていました。

手元に残るものを受け取ったら記憶に残りやすく感じませんか?相手に覚えてもらうということに対して効果的です。

一般的にこの役割を果たすのは名刺です。渡している基板を実際に「名刺代わりに」といったことがあります。普通の名刺よりはインパクトがありますが、基板には名刺に必ず含まれている「名前」や「連絡先」などがありません。

そこで2つをかけ合わせた名刺基板を作りました。作り方について6stepでまとめましたので解説していきます。

  1. 3DCAD(Fusion 360)を使って、基板の形状を作成
  2. 画像編集ソフト(パワポ、GIMP)を使って、名刺の文字・ロゴなどをデザイン
  3. 回路CAD(KiCad)を使って、Fusion 360・GIMPで作ったデータで基板を設計
  4. 無線給電をするための回路設計とアートワーク織り込み
  5. 基板製造メーカ(JLCPCB)への手配方法と無線給電用名刺立ての部品収集
  6. 名刺基板の完成・出来栄えのレビュー

名刺基板はプリント基板で作るため、デザインを配線やレジスト、はんだめっきで表現するだけでなく、回路を作り機能を持たせることができます。

今回は基板にアートワークでコイルを設計し、無線給電によってワイヤレスでLEDを点灯できる機能をつけることにします。それでは名刺基板の作り方を述べていきます。

step 1:3DCAD(Fusion 360)で名刺のカタチを作る

まずは3DCAD(Fusion 360)を使って基板の形状を作ります。Fusion 360は基本機能を条件を満たせば無料で使える3DCADです。

ここではFusion 360でどのように外形形状を作るかを解説しています。オリジナル形状を盛り込んだDXFファイルを作りましょう。

step 2:パワポとGIMPで意匠をデザインする

続いて、名刺のデザインを作ります。パワーポイントの図形機能を使ってロゴを作るのが簡単です。最終的に画像編集ソフトのGIMPを使い、ビットマップファイルにまとめます。

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step 3:回路CAD(KiCad)で基板外形・意匠画像を取り込む方法

3DCAD(Fusion 360)で作った基板外形のDXFファイルと、画像編集ソフト(GIMP)で作った名刺デザインのbmpファイルを、回路CAD(KiCad)に取り込みます。

この操作でオリジナル基板形状を作れ、文字やロゴなどを基板上にシルクやはんだめっきなどで表現できるようになります。

名刺基板のようにいくつものデザイン(QRコードや文字)がある場合にKiCadに整理して取り込むやり方も解説しています。

step 4:ワイヤレス給電の方法と回路設計

次にワイヤレス給電を行うための回路設計です。KiCadで基板上に受電コイルを作り、ワイヤレスで電力を受け取れるようにします。送電側の回路構成も具体的にまとめています。

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step 5:基板の手配と素材集め

KiCadで設計した基板を基板製造メーカJLCPCBへ手配して実際のカタチとしていきます。また100円均一などで手に入る素材を使い、無線給電をするための名刺立てを準備します。

step 6:名刺基板の完成

step1~5で設計しJLCPCBで製作した基板と無線給電用名刺立てを組み立て完成です。基板の出来栄えについて、カットやめっきの状態、QRコードの可読性などをレビューしています。

最後に

今回、ワイヤレス給電でLEDを点灯させることができる名刺基板を作りました。オリジナルのロボットのアートワークをアクセントにし、QRコードをはんだめっきで表現するなどしています。

基板作った名刺はなかなか目にしないものです。展示会などの交流で話題作りや自分を覚えてもらうための助けになります。ぜひとも独自の名刺基板を作ってみてください。そしてどこかのイベントで「基板で作った名刺の交換」をしましょう。

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